“泡”で始める、記念日の夜。
「まずは泡から」は、記念日ディナーの合言葉のようなもの。Le Terroirでは、スパークリングワインにも“ナチュラル”という個性を持たせています。
私が最近気に入っているのは、南仏の小さな造り手によるペットナット(ペティアン・ナチュレル)。二次発酵の途中で瓶詰めされるこのスタイルは、少し曇りがかった色味と、やさしい泡立ちが特徴です。
シュワッという音とともに開ける瞬間は、まるでプレゼントを開けるような楽しさ。お客様がグラスを傾ける表情を見るたび、私はこの“泡”が特別な夜のはじまりになることを、心から願います。
シンプルな前菜、フリット、冷菜などと合わせるのがおすすめですが、個人的には、あえてメインの前に「一杯だけの泡」という贅沢な演出も好きです。
「今日は何かのお祝いですか?」という問いかけに、少し照れながら頷くお客様の姿が、私たちにとっては最高のご褒美。そんな夜の最初のグラスを、丁寧に選びたいと思っています。